ドライバから見た、
モータの理想形
原理原則を基に無駄なエネルギーを省く
「省」の技術で革新的モータを実現

Technology

従来のモータの問題点

  • 発熱が大きい

    従来のコア―ドモータは、鉄心を用いることでトルクを向上させますが、高速回転時に発熱が大きくなる課題がありました。

  • 滑らか駆動と高トルクの両立が難しい

    従来のスロットレスモータは滑らかな動きを実現できますが、トルク不足により重負荷での使用が困難でした。

  • 予期しない停止のリスク

    従来のモータは三相結線コイルで、一部に破損が生じるとモータの回転動作は完全に停止してしまい、安全面でのリスクがありました。

Litz Drive(革新的
モータ)による改善

  • 高トルク・低損失

    Litz技術を用いることでスロットレス構造で高トルクを実現。高速回転時にも低発熱を保ち、長時間の使用でも安定した動作を維持し、製品寿命の向上に貢献します。

  • 滑らか駆動と高トルクの両立

    新開発のコイル構造により、滑らかな動きと強いトルク駆動を両立。
    従来では難しかった精密なトルク制御を実現します。

  • 安全性に対応

    独自技術の独立駆動方式により、コイルの一部が故障しても動作継続が可能。安全性が求められる重要設備での使用に最適です。

About Litz Drive

Litz
伝統ある織物技術を用いたモータと最新の制御技術を掛け合わせ、熱・振動・音の無駄(損失)を省いた駆動技術。

Litz Drive
を支える技術

基本技術

従来の課題

磁力線を100%活用できないため高トルクが得られなかった。
※三相結線と磁極(N,S)で磁石の有効利用が不可(50%~70%)

解決策

二相独立結線でコイルと磁石をペアリング

  • 用途
  • EV
  • モビリティ
  • 精密機械
  • 医療機器
  • 発電機

従来

コア―ド

コア―ド

三相駆動

三相駆動

新技術

新スロットレス

新スロットレス

二相駆動

二相駆動

種類 磁石利用数 磁石量 磁石径 トルク 相対比
コアードモータ 4 1 1 4.0 1.0
新スロットレス 8 1.4 1.5 16.8 4.2
※簡略化されたモデルによる理論比較
  • ロータ磁石からの磁力線を100%同時に利用し駆動させているため高トルクを実現。
  • 回転を発生させる力が360°全域で均等に作用するため、ロータに回転歪が生じず軸受の寿命が向上する。
  • 片方の相コイルが破損しても、もう片相コイルのみで回転維持が可能で、安全性が高い。

特性

従来コアコード

※上記の特性は理論値(駆動回路の特性は含まない)。
 定格は冷却条件により異なる。

概仕様

項目 単位
タイプ BLDCモータ
寸法 □40×L50 mm
駆動電圧 24 V
最大回転数 8000 rpm
起動トルク 2.1 Nm
コイル

従来の課題

  • 高速回転時にコイル内発熱が生じることで寿命が短縮
  • 発熱設計で構造的な設計制約が多かった

解決策

  • 編組線でコイル内で生じる渦電流損の極小化
  • 全周磁力変換で高トルク化
  • 用途
  • EV
  • モビリティ
  • 精密機械
  • 医療機器
  • 発電機

従来

丸線
平角線

丸線、平角線を使用したコイル

新技術

編組線をコイルに活用

編組線をコイルに活用

1)渦電流のメカニズム

平角線・太線

平角線・太線

編組線

編組線

渦電流損:磁石が回転することで、銅、アルミ線材で誘起電圧が発生し、短絡電流を生じさせる。そのため磁石ロータは回転を抑制され、線材にはジュール熱が生じる現象。

2)振り子運動による渦電流損測定

振り子運動による渦電流損測定
線材 往復回数
初期状態 195回
銅板 4回
丸線 53回
編組線 190回

振り子の往復回数によって渦電流損を定量化。
損失が大きいほどブレーキがかかり、回数が少なくなる。
編組線を使用することで、渦電流流損を極小化。

3)渦電流損極小化と全周磁力変換を実現したコイル

振り子運動による渦電流損測定

二相スロットレス構造により、ロータの外周全域をコイルで覆い、ロータ磁石からの磁力線を100%利用。
編組線を採用することで渦電流損を回避。

振り子運動による渦電流損測定

モータ電力と、軸受損失(計算値)とがほぼ一致していることから、それ以外の損失(渦電流損等)はほとんど生じていないと考える。

制御

従来の課題

  • 弱め界磁技術で回転数を高めるが、トルクが犠牲になる
  • 高速回転時では、必要以上にエネルギー損失

解決策

  • オーバーゲイン制御:位相を変えず最大磁束点を使った弱め界磁制御
  • ウインドコンパレータ制御:磁力の最大磁束点にピンポイントで電力供給
  • 用途
  • EV
  • ハイブリッド車
  • 電動バイク
  • ドローン

1)オーバーゲイン制御

オーバーゲイン制御

電気角内の最大磁束点を中心に電圧飽和させることで、トルクと回転数の両方を高める弱め界磁を超えた制御技術。
弱め界磁:トルクを犠牲にして定格以上に回転数を高める技術。

2)ウインドコンパレータ制御

ウインドコンパレータ制御

電気角内の最大磁束点を中心に相電流の期間幅を調整するトルク制御で、回転数を維持させながらトルク制御を実現。
必要としないエネルギーを削減できる技術。

オーバーゲイン制御
坂道や厳しい走行条件でも
パワフルでスムーズな走行を可能。
ウインドコンパレータ制御
高速走行時のエネルギー消費を抑え、
航続可能距離を延長。
ウインドコンパレータ制御
制御

コンプレッサーへの活用

Litz Driveの応用技術として、コンプレッサへの利用が挙げられる。
高トルクと高効率を活かし、従来のコンプレッサに比べて軽量化や省エネが可能。ポータブルな装置や限られた空間での設置に最適。

Litz Driveは、高トルクと高効率を両立する特性により、自動車産業や精密機器、医療機器など、さまざまな分野での応用が可能です。